一人になりたくて…(卒婚という選択)

60代女性の一人暮らし。本が好き。

息子や娘

  賃貸マンションの更新時期となり、保証人になっている息子のところへ行ってきた。

このマンションを決めるまであちこち見にいったが収納スペースが抜群に多い事。大きな公園があり緑道に面していること、バス停がすぐそば、買い物便利などのほかに息子のアパートが近いという好条件が揃い、すごく嬉しかったのを覚えている。

 契約するにあたり息子に保証人を頼み、TSUTAYAで待ち合わせた。書類を渡し、印鑑証明なども揃ったよとラインがきたのでアパートに貰いに行った。二年前のこと。そのとき部屋にはかわいい彼女がいた。仕事帰りに寄ったとのこと。   二年経ち、また必要書類に記入押印してもらうために出かけて行った。駅前で用事を済ませてから行ったら、方向音痴なのでちょっと迷い、ここだっけ?と思いながら小さくドアをノックした。テレワーク中の昼休み。息子は「よく間違えずにきたね」と部屋をあけてくれた。

 あの彼女とは今も仲はいいらしいが、結婚は考えていないらしい。それはそれでいいと思う。選択肢はいろいろあっていいのだから。

 むかし、家族五人でアニメをみて寛いでいたら、義母からとんでもない電話があってぶち壊されたことがあった。嫁のわたしを非難する内容だったので電話口で涙声で受け答えしていたとき息子が「俺が変わる」と立ち上がって受話器を渡せと言ってくれたことがあった。そう、わたしをかばうのはたいてい夫ではなく、こうして息子や娘たちなのであった。そのとき受話器は渡さずにじぶんで折り合いをつけたけれど。

 また、ある時は寝耳に水の借金問題が勃発した。夫の起こした出来事だけれど頼りにならないのでわたしが相手の所へ行こうと決めたとき「一緒に行く」と言ってくれたのも息子だった。すごくやさしくてわたしを守ろうとしてくれる。そんな彼も思いつめてわたしに電話してきたことがあった。

 それもこれも過ぎ去った遠い日の事。あまりにもいろんなことがあったので、「カクヨム」というサイトでなんちゃって自伝みたいのを書き始めたことがあった。すっかり中途半端になっている。カクヨムかnoteあたりでいずれはまとめてみたい。

 何十年も生きてきたらみんなそれぞれいろんなことがあるのだと思う。自慢ではなく後悔でもなく、淡々と述懐できたらいい。いつか息子や娘たちが読むかもしれない。