一人になりたくて…(卒婚という選択)

60代女性の一人暮らし。本が好き。

西瓜

 夫も静岡に戻り、いつもの一人暮らしになって一週間経った。満開の桜が風に吹かれて散っていくのを見るのが好きだ。今日もぐるりと遠回りして散歩しつつちょっと買い物。久しぶりに亀に会う。いたいた、うれしいな。(亀・7月29日参照)

 保育園の桜が風に舞ってさらさらと小雪のように降り注ぐ。これが好き。ほんとは立ち止まって浴びていたい。でもゆっくりと歩いて行きすぎる。亀に話しかけているだけでじゅうぶんにヘンな人だ。桜吹雪の中に立っているのは躊躇する。

 先日、長女の誕生日だった。また入院していたが退院して大人しくしている(はず)

昨年送って喜ばれたので今年も果物のセットを贈ることにした。果物やさんから電話があって内容の確認をした。娘の好きな苺、琵琶、柑橘、それから何にしましょう?と話して「以前は食事制限あったけど今は大好きな果物が食べられるようになったから」と言って病気のことを言ったら「それなら西瓜いれましょう!」と言ってくれた。いま甘くて美味しい西瓜入ったので、と。。あ、わかっているんだ、と思った。わたしと娘が闘ってきた病気について、理解されている。何だかすごく嬉しかった。

 他人に理解される。同情とかではなく、さらっと認識される。かつて、わたしも娘も「大変だったね」と相手に泣かれた経験がある。それはべつにいいのだけれど、微妙に違和感は残る。同情よりも西瓜のほうが嬉しい。

 そういえば昔、大きな手術を終えて退院した時、兄嫁がすごく立派な西瓜をプレゼントしてくれた。嬉しかった。その兄嫁が癌で亡くなってこの三月で一年が経った。