一人になりたくて…(卒婚という選択)

60代女性の一人暮らし。本が好き。

不在からの年明け

いなくなったんだなーと思っていたら、まだ、いた。そう私です。

書くことはたくさんある。

でも「ブログ」はもういいかなとほんのり思っていた。

表現する、書くひと、という自尊心についてちらりと考えていました。

しかしまあ、月日が経ちました。

年も明けました。

昨年、せっせと喪中はがきを書いて出したら、驚くほどたくさんの方から

メッセージを頂きました。

形式的な喪中はがきではなく、急逝した兄への思いを少しだけ書きました。

こんなにもやさしいひとたちにわたしは恵まれている、と

頂いた手紙やハガキやメールを読んで実感したことでした。

 

お正月はおせち料理はなし。

炊き込みご飯や煮物やサラダをたくさん作っておいて食べてもらいました。

 

図書館に予約しておいた本に加え、知り合いが持ってきてくれた村上春樹の長編と凪良ゆうの小説、友達が貸してくれた浦沢直樹コミック「あさドラ」1から8巻まで。

毎日、読んだり、ゲームしたり、散歩したりして過ごしています。

戻ってきたので、また書き続けるかもしれないし、またいなくなるかもしれません。

トマトたち

7月に風邪をひき久しぶりに熱もでた。私の場合はいつも喉からくる。

喉が痛い、咳が出る。ガラガラ声になる。

暑いときの風邪はつらい。越してきたこのマンションの一階に医院があってよかった。

ちょうど用事のあった夫がいた。

からだの弱い(風邪もひきやすい)私に比べ夫は比較的丈夫だ。一緒に暮らしていた頃、わたしがゴホンゴホン咳をしながら作ったご飯を食べても何事もなかった。

しかし、トシのせいか別居で環境が変わったせいか、二泊して静岡に戻ったとたん夫もなかなかの高熱をだして寝込んだらしい。

あら、うつしちゃったのね、ごめんね、と思いながら内心、看病から免れてホッとしたりする薄情な卒コン妻なのだった。

さて、熱もだいぶ下がり風邪状態だけれど少々持ち直してきたわたしは「なんか食べよう!」と思った。水分はシッカリとっていたけれど食欲はもちろんあまりなかった。

水分のある喉越しのよいものが食べたい。スイカ!と思ったけれど、コンビニにはスイカは売っていない。ほんの少し歩けばスーパーがありたぶん切り身のスイカはあるだろうけれど、きっとまあまあ高いしまあまあ重い。

それで思い出したのが散歩のたびに何件も目にしていた農家直販所。そうだ、トマトだ!と思った。スイカよりも栄養あるんじゃないか、しかも高くなくて重くない。

というわけで夏の日の夕方、トマトを求めてうちを出た。ところがいつもなんとなく思いつくまま小道をそれて散歩していたので直販所が見つからず、一日目はコンビニでトマトと菓子パンと牛乳を買って帰った。(コンビニはうちのすぐ近くにある)

2日目、昨日間違えた道を避けて歩いて行き、やっぱりないなーとガッカリしつつ諦めて横道を振り向いたらあった。よかったよかった。一袋200円大小混合、多少キズもあったりするトマトたちは「やっときたね」とわたしを待っていてくれた。

方向音痴のわたしはそこからうちに戻る道を一生懸命覚えて帰ってきた。

全然遠くない。なにしろトマト畑がある。覚えられた。

トマトには子どもの頃そうしたようにちょっと砂糖をかけた。塩もパラリとふった。

毎日、直販所のトマトを食べて風邪を治した。

咳は10日以上続いたが、あまりに東京の夏が暑いので、7月最終週は静岡へ。

高原なので冷房もいらないし、あれほど寝苦しかっった夜も嘘のようだ。

料理に目覚めたらしい夫(すっかり元気になっていた)がレシピを見ながらせっせと食事をつくり提供してくれた。

毎日毎日、本を読み、ゲームをし、窓から大室山を眺めてコドモの夏休みのようにのんびり過ごした。

楽しいことばかりではなく「うっ」と思う話もあるにはあった。

でもそれはそれ。先日、また東京に帰ってきた。

あのトマトたちに会いに行き大切に買って帰るのを楽しみにしている。

6月の旅

本当は春に旅をするつもりだった。九州や五島列島に行きたかった。

旅をするために日々、倹約して暮らしている。

いつでもどこかへ行きたい。そんなには出られないので、普段は地図を広げて知らない場所を歩いて帰ってくる。方向音痴なのでよく道に迷う。ちょっとした小道にひかれてつい歩を進めてしまい、帰り道を見失うことは頻繁にある。

うちを出る前に地図を見たはずだけれど、たいていは間違える。

帰り道がわからなくなったらスマホのアプリで「自宅に帰る」をタップすればよい。

でも体力がないからそんなには歩けない。歩くのも遅い。

お金がかかるからできれば乗り物に乗りたくない。

 

そういうわたしが3月に駅のホームで転んで怪我をした。

そのあと電車に乗るのが怖くなったけれど、ちゃんとまた一人で乗れるようになった。

まだリハビリに通っている。

 

それで、春の旅を諦めたけれど、だいぶ元気になったので6月の旅に行ってきた。

栃木県。行きたい!と思っていた那須の「アートビオトープ水庭」

ちょうど雨が上がり、ゆっくりと静かに散策を愉しんだ。

那須に以前行ったとき、「夢屋」というカフェに猫さんたちがいて、ガレットがとても美味しかったので、今回もお伺いした。猫さんは一匹だけになってしまい、しかもお出かけしていて会えなかったけれど、やはりガレットは美味しかった。

 

那須では2泊した。

ステンドグラス美術館や石の美術館に寄り、日光は中禅寺湖畔の英国大使館別荘記念公園などにも行ってみた。

帰り道は若竹の杜「若山農場」へ。

だいぶ元気になったとはいえ、まだカートをひいてあちこち歩いたり混雑する駅の階段を上り降りするのは無理。というわけで、夫が車を出してくれた。

怪我をして以来、助手席ではなく、後ろに乗れば良くなったので実はありがたい。

隣に座ると、話をしなければならない。わたしは声が小さいし夫は耳が遠い。

それでも夫は話がしたいから、話しかけてくるので一生懸命声を出して頑張っていた(つもり)。後ろに座っていれば黙して心ゆくまで外の景色を楽しめる。有り難い。

 

そういう6月だった。夫はすぐに静岡に戻り、わたしはまたいつもの気ままな一人暮らし。予定がない日には相変わらず地図を広げている。懲りずにまた道に迷うだろう。

5月が終わるのでブログ更新

月末になると「あれ?なんかわすれてないかな?」と必ず思う。たいていは大丈夫。

前にポイントの期限を忘れていて(交通系だった)夕方になって思い出し駅に行って慌ててチャージしたことがあった。わたしが慌てているので夫が車を出してくれた。

その頃から、忘れてはいけないことは手帳に書いておく。

スマホのカレンダーやメモではなく、やはり手帳。ペンを動かして記帳しておくとアタマにも入りやすい気がする。

 

5月末締め切りだったのは東京都からきた「お米クーポン」の申込期限だった。

3月頃、不在中にきたクーポンでお米や食品と引き換えられる。お米は重いし助かる。

25kgが2回か3回に分けて配送されるコースから15kgと飲料、または野菜など全部で9つのコースから選択するようになっていた。わたしは一人暮らしだし少食なのでお米は2キロのしか買ったことがない。たいていはネットスーパーで注文し配達してもらう。・・・・だから、有り難いけど正直なところ25キロは要らない。

飲料もネットスーパーか夫が来たときに安いやつを買う。

だから選んだのはお米15kgと東京都産野菜コース。これにしましょうと決めた。

そうだ、月末締め切りだから、と28日頃になりスマホ開いて申込みしようとしたら何と!時すでに遅し、もう在庫がないのだった。9つのコースのうち在庫有りとなっているのは4つくらいだった。あれー、のんびりしすぎたわ。

それで、在庫がある米15kgとカット野菜のセットにした。カレーなどに使える水煮パックが8個とミネストローネ用が2パック。たぶん持て余すと思うので家族に分ける。第3希望まで書かないといけないのであとは大量のお米たちにした。

 

絶対にほしい!と思ったものがあれば素早く行動するにかぎる。

今回のように有り難いけどどんなのかよくわからなくて迷いつつ消去法で選んでみてのんびりしていたら結局こういう結果になった。

でもまあ、とりあえず期限内に申し込んだからいいかな。どんなのが来るんだろう。

 

今月は次女夫婦が来てくれたし、長女も来てくれたし、数年会っていなかった友人も来てくれた。「梅の花」のお弁当がとても美味しかった。

夫が来ていたとき、出前館で中華を注文した。

出前館は何度か利用しているが便利。いろいろキャンペーンやってるし。

ところが当日、注文品が来なかった。時間になっても来ないばかりかスマホ見ると「配達完了」となっている。お店に電話しようと注文詳細をみたが電話番号がない。出前館に問い合わせると「誤配達のためキャンセルさせていただきます」とサラリと返事がきた。お腹すいたなーと待っていたわたしたちは腑に落ちないまま・・・とりあえずコンビニへ買い物に行って夕飯にした。

誤配達・・・どういうこと?他に行ってしまったとか、ここがわからなかったとか、まさか最初から出発していなかったとか?

やはり理由が知りたい。と思っていたら二日後にショートメッセージで「こちらは出前館ですが誤配達のため注文をキャンセルさせていただきます」というイマサラのメールがきた。なんだかヘンなのでカスタマーセンターに問い合わせてみたが、誤配達の理由は開示できないとのこと、メッセージはタイムラグ。

 

そういうことがあった5月だった。

桜橋から玉川上水沿いも散歩した。

まだリハビリに通っているけど、ずいぶん元気になったと思う。

電車にも乗れるようになったので、6月は出かける。出かけるわたしが機嫌の良いわたし。なるべく雨じゃない日がいいけど、紫陽花が好きなので、雨の日の散歩もいい。

桜橋で会いましょう

ゴールデンウィークは忙しいからキライ、という時期があった。そういう仕事をしていた。働かなければ生きていけないし、どうせどこも混雑している。お金稼いだほうが良い、というふうに考えることにしていた。

そういう時期が過ぎ、ゆったりと過ごせる連休がわたしにもやってきた。

いや、無職となったので関係なくなった、というのが正しい。

 

タイミングよく図書館に予約しておいた本が、先週、宅配された。

読む本がなくなりそうだと焦る。活字が好き、紙のが好き。ウェブページを読むことに慣れていないからネットニュースではなく、新聞を読む。どなたかのブログを読んだりするのもきっとたのしいのだと思うけど、ほとんど読まない。紙でくる会報は書かれた記事をしっかり読んだりする。

まだ重いものを持てないので、図書館からの宅配(4冊くらい)はとてもありがたい。

いまは川上未映子さんの「黄色い家」を読んでいる。予約してから二ヶ月くらい待ったと思う。

近頃は河崎秋子さんの本を気に入っていて「颶風の王」「清浄島」「絞め殺しの樹」と続けて読んだ。 最新作でなければ予約している人が他にいないのですぐに借りられるし延長もできる。河崎さんは羊飼いという経歴を持つ。カッコイイと思う。

それから一穂ミチさんの「光のとこにいてね」が話題になったのですぐに借りて読み、続けて「スモールワールズ」を読んだ。知らない作家さんだったけれど、人気があるのはわかる気がした。他にも読んでみたい。

ルポでは斎藤彩さんの「母という呪縛 娘という牢獄」 それから「ある行旅死亡人の物語」武田敦志さん他、が面白かった。現金3400万円を残して孤独死した身元不明の高齢女性。その謎を追っていくのは小説とはまた違って興味をひくものだった。

 

そんなわけで、毎日は本とゲームと散歩で過ぎていく。リハビリや買い物にも行く。ヨガにもまた行けるようになった。緑が美しい5月がやってきた。

近くのバス停に「桜橋」というのがある。川沿いに遊歩道があるのかもしれない、と友人が言い、そこを散歩してみることにした。連休の予定は今、それと、娘がくること。

娘夫婦がきたらテーブルの配置をかえてもらおうと思っている。

テーブルの配置を変えてもらったら今度は気分転換に友人と川沿いの散歩。バスに乗って行き、バスに乗って帰ってくる。

葉桜で一人お花見

少しずつ歩ける距離をのばしていき、今日はとうとう少し遠くのスーパーへ行ってきた。同じ市内に引っ越したので通いなれたスーパーマーケットはここからも行ける距離にある。でも以前よりもずっと遠くなった。

地図を広げて道を確認して行く。

うちの近くにもビッグ・エーはあるしコンビニ目の前なんだけど、懐かしい方向へ行ってみたい。それで、意外な近道を発見して喜んだのが、怪我をした日の前日だった。

そしてもちろん、怪我をしてからは、ネットスーパーやコンビニ利用が多かった。

今日、暑くなく寒くなくちょうどいい散歩日和で曇り空。ショッピングカートをひいて出発した。ピクミンのゲームをオンにして花を植えながら歩く。

前回見つけた近道は小さな公園を横切っていく。

無事に買い物を済ませ、帰り道その公園でひと休み。

ベンチに座ると花びらがいくつも舞いおりてきて「げんきになったね」と言ってくれた。今年の春は桜はほとんど見なかったので遅れて一人葉桜お花見。

ここで水分補給してしばらく休み、スマホを出してピクミンをみてからまたゆっくり歩いて帰ってきた。

 

そういえば先日、久しぶりに息子に会った。ピクミンゲームがあるから歩くの楽しいと言ったらずいぶん笑っていた。あまりカフェに入ったりしないので、スタバのメロン・フラペチーノが美味しかった。(買ってくれた)

あまり関係ないけど、もうすぐ連休。

たぶん山梨から次女が来る。やはりお正月以来。楽しみ。

やっぱりまだダメだった・・・(ガッカリ)

洗濯できるようになった、と喜んでいたけど、やっぱりまだダメだった。

昨日のリハビリで「洗濯もの干すとき手が伸ばせるようになった」と言ったら、

「まだ無理してはダメです」とのこと。まだ骨はくっついてないし筋肉にダメージはあるのだから負荷をかけてはいけない。前の先生は家事はリハビリになりますと言っていたけど、どれくらいしてもいいのかちゃんと確認していなかった。

だけど洗濯したいの。つまり、洗濯ハンガーに届くように何か台に上るかハンガーを低い位置に下げれば良い。もちろん上るのはあぶないからナシ。

最初の頃は左手は全く動かなかった。でも掌グーパーしてるうちに指先は動き、固定が取れたらすこし上下動かせるようになり、今は水平まで上がる。リハビリ先生も水平まで良しと言ってくれた。

それで、突っ張り棒にハンガーをかけさらにそれに洗濯ハンガーをかけて低くした。右手でベランダに出す、大成功。

シャンプーしたりドライヤーで乾かしたり、洗顔したり、ちょっとずつ左手を使う。

昨日、レントゲン写真みながら説明を聞いて「いろいろできるようになるのはまだまだ先かもしれないなー」と思った。まだまだかあ・・・と思いながら帰ってきた。

電車に乗れればいいのに、まだ乗れないのでバスがくるまで長いことベンチに座っていた。ようやくバスがきて最寄り駅につく頃には気を取り直していて「夜ご飯はお弁当にしちゃおう」とクイーンズ伊勢丹に寄ってきた。重いものを持ってはいけないので余計なものは買えず、無駄遣いしなくてすむ。

 

今朝、テレビを見ていたら「脳の老化」みたいな話をしていた。

老化を防ぐためにはプラス思考でいればよい、「疲れた」「もうタイヘンだ」「嫌だ」と思ったりしても「でも」と付け足せば良いという。

それはそうだ。無意識にいつもそうやってきたと思う。「でも、だいじょうぶ」「でもがんばろう」とじぶんを励ましてきた。

ところが意外とマイナスで否定的発言を連発するのがかつての夫だった。

数十年前、わたしが高熱をだして新婚旅行に行けなくなった時から。気の毒に思った旅行会社が後日別案をだしてきてくれても、とにかく「もう行けない」の一点張りだった。忘れもしないあれが最初の大きな疑問符だった。

母の介護をしていたときもわたしが新しい仕事を見つけたときも「無理でしょ」「できないでしょ」と、とにかく何かにつけてまず、否定する。

だから、いつからかわたしの相談相手は三人のこどもたちになった。

いまは一緒に暮らしていないのでわからないけれど、むかしほどヘンなことは言わなくなったし、今回はたくさん助けてもらったのでそれは感謝しかない。でも思う。じぶんを励ますのはやっぱりじぶんなのだ。