キツネとオオカミ
先月末に東京に戻ってきた。ひとり暮らしの部屋はやっぱり嬉しく、キツネのこんこんに「ただいま」と言った。こんこんは次女の置いていったぬいぐるみである。あの古い家を処分するとき数えきれないものをとにかく捨てた。毎日毎日捨てた。捨てなければ引っ越せない。むかし小さかった三人の子供たちにしっかりと抱かれていたぬいぐるみ達とも別れる時がきた。感傷的なのは大きくなった彼等ではなくわたしだった。
それでもわたしの手作りの小さなクマのぬいぐるみを手放すと決めた息子はお寺の人形供養に一緒に来てくれた。お雛様も供養してもらった。入院時に長女のベッドの傍らにいたウサギたちともお別れした。三人の中で一番クールな次女。こんこんはどうするのかなと思っていたら、迷ったらしく部屋に置き去りにされていた。
わたしはためらうことなくキツネのこんこんをカバンに入れて引っ越してきた。
さてお題。「気になる番組」それはつい最近終わってしまったアニメ「不滅のあなたへ」である。大好きな番組だった。漫画やアニメにそれほど興味がある訳はない。でもファンタジーや動物の出てくるお話が好き。「不滅のあなたへ」は新聞の紹介欄に白いオオカミの絵があって少年が主人公らしいというので見る気になった。
宇多田ヒカルの主題歌「PINK BLOOD」もすごく良かった。関わるものが次々と死んでいくのは辛かったけれど、残酷な場面はなく死者の力を得て主人公が少しずつ前へと進んでいくようで毎回楽しみだった。オオカミに変身する彼がやっぱり好きだった。
録画してみていたので最終回は二回みた。終わってしまったが「来年秋、第二章!」と予告があったので、一年待つことにする。