一人になりたくて…(卒婚という選択)

60代女性の一人暮らし。本が好き。

泥濘の叢

 今年ももうすぐ終わる。わたし自身は大きなアクシデントもなく無事に過ぎた一年だった。家族は心配なこともあった。心労、闘病、職場での疲弊。わたしは見守るしかなかったけれど、「必ず言ってね」一人で頑張らないでねというメッセージは伝わっていたと思う。言ってくれれば一緒に考えることができる。聞くことしかできなくても精一杯に心を傾けて聞く。

 ひとりの年の瀬は静かでちょこっと片付けと掃除をしてから、重いものかさばる物などをネット注文してあとはいつものように散歩をしたり本を読んだりしている。

 図書館から借りていた三冊、桐野夏生さん「砂に埋もれる犬」 桜木紫乃さん「家族じまい」を読み終わり、いまは「透谷の妻」江刺昭子さんを読んでいる。北村透谷と美那子は激しい恋愛の末に結ばれたと勝手に思い込んでいたが、そうでもないようだ。たしかに透谷の情熱的なラブレターも残っている。キリスト教に導かれて結ばれた二人だったが結婚生活はたった五年。透谷の自死によって終わりを告げた。

 

 昨夜はようやく詩を仕上げてドキュメントファイルをサイトに送った。

今年は「灰皿町」に見つけて頂いたのが嬉しかった。年末にそれぞれが作品を提出して主催者の清水さんがアンソロジーにまとめてくれる。来年松の内まで募集しますと書いてあった。きっかけがないと作品は生まれない傾向にある。締切があると書ける。

書けるとやはり嬉しい。まだじぶんに詩があること。ささやかな表現者であることはきっとじぶんを支える。昨夜書いた終行にこうある。「また泥濘の叢を辿っていけばよい」 

 泥濘、ぬかるみはたぶん自分のテーマの一つ。叢、草むらはここに引っ越してきて散歩しているうちに取り込まれていた。

 

 

めったに更新しないのに読者になって頂いたりスターをつけて頂きありがとうございます。消極的ブロガーなので他のブログを読む事が少なく失礼しています。すみません。

 

 来年はよい年になりますように