一人になりたくて…(卒婚という選択)

60代女性の一人暮らし。本が好き。

じぶんを癒やす散歩道

 今日も散歩に行ってきた。

ほんの少し近所を歩く。

骨折したばかりの頃は外歩きがこわかった。バランスが取れないし、また転ぶのではないかという恐怖もあった。転居のたびに何故か捨てずに持ってきた亡き母の杖が役に立った。片腕を吊り、杖をつきコートを羽織って歩く姿は異様かもしれずためらいはあった。でも、ここにはあまり人に合わない散歩道がある。  

 今日、「ここに越してきて良かった」と思った。以前の住まいは目の前に緑道がありすぐ近くに小金井公園があった。大好きな環境、と思っていた。しかし、散歩に出る時はその二択で、緑道にはいつもたくさんの人々が行き交っていたし、公園では犬の散歩とランナーたちに必ず会った。

 今の住まいは裏道に入ると、畑がある。空き地もあり、誰もいない小さな椅子だけある公園もある。ゆっくりゆっくり歩く。もう杖はいらなくなった。畑や空き地のタンポポやチューリップ、側溝の隙間のスミレ、よそのお宅の梅や木蓮、そのたびにに立ち止まって眺める。いちばん好きなのは逞しいスミレ。濃い紫。

 こんなにゆっくり歩いたり、立ち止まったりしていても誰にも見咎められないし、ほぼ誰にも合わない。(杖をついている頃、空き地の向こうからやってきたおじさんにジロジロ見られたことがあっただけ)

じぶんを癒やす散歩道がある。今日、ふとそう思った。

 先日、長女が大量のお見舞い品を持ってやってきた。

前開きの衣類、リールのついたパスケース、すぐに食べられるものなど。数え切れない入退院を繰り返してきた彼女らしいチョイスだった。嬉しかった。

 それから、図書館に電話してみた。

予約した本の用意ができるとメールで連絡がくる。ちょうど友人がきてくれたので返却、受け取りを頼んだけれど、それが不可能な場合はどうするんだろう。

図書館のホームページを見ると、高齢者や来館が不自由な方は宅配します、と書いてあった。それで、電話してみたら、来てくれるとのこと。良かった!本が大事。

だいたい、読書と、スマホかパソコンでゲームと、近所の散歩で過ごしている。

 これから始まるリハビリがちょっと不安だし、気持ちが沈むこともまだまだ多いけれど、どうにかひと月が過ぎようとしている。