はてなブログの本
はてなブログ10周年特別お題「10年で変わったこと・変わらなかったこと」
小さな紫色の冊子、手元に残った一冊。発行は「株式会社はてな」となっている。
ブログを書き始めたのは2005年のことで最初はgooブログだった。それから「はてな」ブログに引っ越してそこでブログを本にできると知りまとめたのがこれ。書いたものが活字になって本の体裁をとる、というのが画期的で嬉しかっった。
2005年から2015年までのブログを一冊にして、そのあとまたgooブログに戻ったりmixiで熱心に書いたり、詩のサイト「灰皿町」で詩や短文を書いたりして結局またここに帰ってきたのが一年位前。。。いつも誰にも見つからないように、と思いながら書きたい気持ちだけで気の向くまま綴り、それでも読んでくださる方が増えるのはうれしく、また有り難く・・・。けれど放浪癖のある猫みたいに、隠れていたはずの場所からまたどこかへいきたくなる。それを繰り返して、昔の住処に戻ってきたような気分。
あまりにウロウロしていたので行方不明になっていたようで、つい最近「灰皿町」の大先輩の詩人の方が探してくれていたことを知った。アンソロジーとなった本を送っていただき感慨深く、以前に投稿した詩を読み返している。
10年で変わらなかったこと、といえばやはり「書くこと」。書くことはじぶんを支えること。気持ちを表す手立てがあって良かったと思う。切実にそう思う。
では10年で何が変わったかというと、生活スタイル。当たり前だけど大きく変わった。仕事も変えたし、子どもたちは独立したし、長年住み慣れた土地に別れを告げて一人暮らしを始めた。親も愛猫も旅立ってしまった。
ここにいつまでいるのかわからない。案外長居をするかもしれないし、ふらりと寅さんみたいに出かけてしまうかもしれない。
最近、夜にゴミを捨てに行く。マンション敷地内だがほんの少しだけ歩く。夜の空気。マスクをとって夜の匂いを嗅ぐ。ほんの少しだけ歩いてマンションのエントランスに戻ってくる。長年住み慣れたあの古い家ではなく、今ここがじぶんの場所なのだ、と思う。一人だな、と思う。開放感と寂寥感がぐっと胸に迫り、それは今しか得られないもの。ひとり旅のときに似ていて必ず空を見上げてしまう。その夜空が好きだ。
10年経っても変わらずにブログを気まぐれに書いている。見上げる空が夜だったり朝だったり、夕焼けだったりする。見知らぬ場所に佇むこともある。書くことで自分を支えながらまた10年やっていくだろう。